様々な動きがあるが、障害者への人権侵害であるというのは、
認識として多くの人が持っていることだろう。それは間違いないと思う。
しかし、法律自体の問題、法律の運用の問題、
そして社会の受け止めの問題、それぞれを考えると、
社会がそれを是として、法律を作り、法律が適正または過剰に運用されたというのが、
事実であると思う。法律が、法律を作った立法府のみが誤ったのかというと、そうだとは思えない。
社会は今でも優生保護法の背景となった障害者の人権を守れているか?というと全く疑問である。
身体障害者のバスの搭乗、精神障害者が隣人となること、知的障害者が出産すること、
それぞれをたやすく受け入れる社会になっているか?全くノーだ。
過去を、過去の様々な立場や事実を、現代の価値観で裁くことは、簡単なことだと思う。
現代の価値観や社会はどうなっているか?それを理想という物差しで裁いてみればどうなるか?
突きつけられているのは、過去をどう断罪するかではないのではないか。
今の社会が真に「障害の有無にかかわらず」「共生社会であるか」ということではないだろうか。