永久欠番

なかなか心の整理ができていない。
小学校に入る前に用品購入で隣にいた人が亡くなった。
接点はそれくらいで面識もほとんどない、母親同士が職場の同僚だったかで
この年になるまで少なくとも一年に一回は話を聞いたものだった
彼は小学校に入る前に家の池に落ちてしまい、
そのまま意識が戻ることなく、28歳の生涯を閉じた。
まだ28歳だったというから、
おそらくあのとき誕生日の順に並んでいたのだ。
23年の時間が止まっていた彼と、23年着実に時を重ねた僕。
僕はもうすぐ29歳になる。

どんな立場の人であろうと
いつかはこの世におさらばをする
たしかに順序にルールはあるけど
ルールには必ず反則もある

あまりに反則過ぎて、周囲は戸惑うしかない。
僕は当事者ではないが、全く整理のできない心の隙間がある。
老人の死はすぐに埋まる。