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「人々」――エフトゥシェンコ
この世界に面白くない人間など居ない。
人々の運命、それは惑星の歴史と同じである。
人は皆、それぞれが特別なのだ。
星々が皆、違っているように。

各人が秘密の世界を有する。
最高の瞬間はその世界に在る。
最悪の瞬間もその世界に在る。
だが、我々は何も知ることができない。

そして男が一人死ねば、
彼の最初の雪も消え去る。
最初のキスも、最初の喧嘩も…。
すべて彼とともに消える。

それこそが無情なるゲームの法則。
人のみが死ぬのではない。世界が死ぬのだ。
罪深き、この地上の人々のことを我々は覚えている。
けれど、実際我々は彼らについて何を知っているというのだろうか?

人は去って行く。二度とは戻らぬ。
彼ら自身に秘された世界ももう戻らない。
だから消え去って行く度に、僕はまた
還らぬ世界を想い、叫びたくなるのだ。


詩集が絶版だなんて。