君は勇敢だった!戦った!

石の花(1)侵攻編 (講談社漫画文庫)

石の花(1)侵攻編 (講談社漫画文庫)

手塚治虫も遺作「ルードウィヒ・B」の中で(唐突に)誉めている坂口尚
初めて読んだのは確か中学校の図書室
もともと暗い話なのだけど4巻あたりから絶望的になるから一気に読んで欲しい
二番目の主人公ともいえるマイスナー大佐の生死がわからなくなるのが不満という指摘もあるが
真にナチズムの信奉者なのか(そもそもそんな人間というのを想定してるのか)わからず
なおかつ別の目的のある登場人物なのでああいう結末はよいと思う
彼をただの悪役にしないという手法は戦争が勧善懲悪でないことを示している
イヴァンの側の物語にはわかりやすい悪役というのが登場しない代わりに
クリロの側の物語にはわかりやすい悪役ばかり登場する。
というかクリロ自身がその「悪役」なんじゃないかと自問自答し続けるスタイルこそが
ただの歴史/戦記漫画という枠からこの作品を抜け出させたといえるだろう
「夜と霧」にも影響を受けていると言われるがそちらの方は未読


坂口尚がアニメーター出身というのは知っていたがザンボットで作監やってたなんて!