アシュリー・トリートメント

アシュリー事件―メディカル・コントロールと新・優生思想の時代

アシュリー事件―メディカル・コントロールと新・優生思想の時代

この数年間、医療的ケアを要する障害児者の保護者と接する機会がある。
「恵まれている」とは言いがたい。きっとその人達は恵まれているとは自称しないだろう。


歳を取っている人(対象者)は、40歳を超えている。
そう思うと、彼が、もう一人の自分ではないかと思うこともある。
これまでの人生で何かあれば、何かがなかったとしても、自分がそうなっていたかもしれないし、
今の自分も、様々な幸運の積み重ねであり、一つの不幸があれば、
いや、なかったとしても……いかにあの業界は、人ごとであるかということである。
誰もが見過ごしているのかそれとも見ない振りをしているのか。