童話迷宮

ようやく落ち着いてきた。

日本の路地を旅する

日本の路地を旅する

私が読んだのは文庫版。

生まれた環境は選べないのだから、それを嘆くよりも、これからどう生きていくのかが
最も重要なことになるのではないだろうか。
自らの不幸の原因を差別や貧困、障害、家庭事情に求めることもできるだろう。
しかし自分がどのような知識を得るのか、そして誰に出会い、選択し続けていくのか。
人それぞれに違うもので、そこに生い立ちが関係していたとしても、選択は自分にある。

このルポタージュは実に読ませる。
その中で最も好きな一節はこれだった。
しかしこんなことを大声で言えば、差別だと言われるのが現状である。
いい加減に教育するくらいなら、いっそ寝たままでいいと思う。
世界でも珍しいアファーマティブアクションの経緯も
あの人なら伝えてもいいし、そうでない人は伝えれば差別である、
これでは歴史を伝えず、断絶してゆくことは間違いない。
多くの人が口をつぐむ。そして私も。