4日目

この日は格別におもしろかった。
旭山動物園に行き、稚内までいった。
ホテルはビジネスホテルだったのに露天風呂があるし、
目の前にあった居酒屋(花楽)では地元の人と話ができた。
多分今まで食べたカレーの中で一番うまいカレーを食べた。
別に名物じゃなかったらしいけど……


旭山動物園旭川一の観光名所になっているわけだが、
動物園を「動物の図鑑」としてみた場合、珍しい動物は殆どいないので
我らが池田動物園の方がよっぽど「貴重」である。
しかし、動物園が見せるいのちの輝きというのは、
その動物がいかに貴重であるか(希少であるか)ということだけではなく、
人間と、どう姿形が違って、どう一生懸命で生きているかを見せることにもある。
旭山動物園の凄いところは動物のもてるポテンシャルを、
檻の中に閉じこめ、動く写真のようにするのではなく、
めいっぱい引き出していることだ。これ以上は語るに落ちる気もする。
かつて弟が言ったことがある。
ガンダムが好きな人はどんどんガンダムが嫌いになっていくと。
これは、機動戦士ガンダムというアニメが好きな人は
どんどんジオンのザクに入れ込んでいって、結果ガンダムの敵になっていくということなのだが、
動物についてもそうだ。
動物園が好きで、動物を好きな人は、動物園のあり方に疑問を抱いていく(かもしれない。)

動物園にできること (文春文庫)

動物園にできること (文春文庫)

この旅の最中に読んだ本から、引用する。

「多くの誠実な努力と少々の嘘。未知数の益と未知数の害。多くの動物を苦しめるかもしれないが、
多くの動物を救うかもしれない。多くの人を不愉快にさせるかもしれないが、
生態系のために闘う戦士を生み出すこともある。人々に何も伝えないかもしれないが、
多くを学ぶ人もいる。可能性に満ちているが、きわめて両義的な場所。」
それが、ぼくが知ったアメリカの動物園の姿だった。


なお、ペンギンの展示についてはアクアスの方が僕は好きだ。