鉄道の旅
(これまでにも何度もやっていることだが、「ただ乗りに行く」だけの日である)
向かいに座った母親と子ども、子どもはイヤーマフをしていた。
彼の話し方は少しだけぎこちなく、母親が少しだけ周囲に気を遣っているように思えた。
何らかの診断がついているのだろうか。鉄道のTシャツを着ている。
その母子と何かのきっかけで、話を始めた。
互いに子どもが鉄道好きで、我々は単に乗りに来たこと、
母子は終点手前の駅での乗り物イベントに来たということ、
ハッピーセットのトミカやプラレールのこと、二人とも在来線が好きだということ、
親も鉄道に詳しくなったこと、(父親の影響かと聞かれるのも定型)
新幹線やシンカリオンが好きな同級生は卒園前に鉄道を卒業してしまったこと、
今乗っている臨海鉄道も臨海といいながら、海が見えないこと。
20分以上、それでも足りないくらい、話をしたような気がする。
最近は近所のお母さんとの関わりもあるが、
初めて会った人で、しかもたったこれだけの時間で、
こんなに話ができたと実感したのは、これまでになかった。
そして、いつもは息子と父親だけの旅だったが、こういう人との出会いもあることが嬉しかった。
お話しできて、嬉しかった、ありがとうね、そう言われた。我々もそう思っていた。
行程自体は、もう少し詰め込んでもよかったな、あと二時間は乗れたな。