盲ろう本

小さい頃はヘレンケラーは視覚障害者だと思っていたけど、いわゆる先天性の盲ろう者だったんだな。
あんまり盲ろう者ってメジャーな言葉じゃないんだな。

手のひらから広がる未来 ヘレン・ケラーになった女子大生

手のひらから広がる未来 ヘレン・ケラーになった女子大生

やわらかめの盲ろう本。
「オールウェイズ盲ろう」と「人を信じて生きていくしかない」というのが印象的だった。これは凄い本。福島氏の博士論文とのことだが、
一人の盲ろう者の成り立ちをここまで詳細に記載した本はこれからも絶対出てこないだろう。
盲ろう者というのはなかなか研究が進んでいない障がいかなと思う。
自分史を書こうにも言語がない可能性もあるし、通常そこまで話すこともできないだろう。下手をすれば座敷牢だろうし。
文章も上手で、よく読ませる本だった。購入してもよいくらいの本だ。

人はみな、それぞれの「宇宙」に生きている。それは部分的に重なり合っていたとしても、完全に一致することはない。
時には全く交わらないこともある。このように、ばらばらに配置された存在であるからこそ、その孤独が深いからこそ、
人は他者との結びつきに憧れるのではないか。智(筆者)の盲ろう者としての生の本質は、この根源的な孤独と、
同じくらい強い他者への憧れの共存なのではないだろうか。

ここからの文章も秀逸だった。盲ろう者に限らない。コミュニケーションがないと人はいきられない。