「忘れる」ことはいけないことか

多分来年も再来年も同じような行事が行われると思う。
忘れたというときっと不謹慎といわれる。本当にそうだろうか。
それは違うと思う。
季節や時間が流れて、それで心の傷跡が癒えることだってある。
あの災害で何を学んだか。それが心の中でろうそくの炎のように生きている限り、
身体のどこかに置きざっているかぎり、
思い出さないからといって、忘れたとは言えないのではないだろうか。
一生懸命呼び醒まさなくともいい、僕はそう思う。


被災地で他都道府県から派遣された自治体職員が自殺していたという報道があった。
経緯はわからない。しかし、凄く辛い気持ちになる。
僕も被災地に数日行っていたから実感がある、余所者は孤独だ。
被災地から引っ越してきた人はそう言う場があるが、
派遣された自治体職員は、きっと潰れるしかない。


僕は常々言っている。「がんばる」のはやめよう、と。
時には自分の持っている力以上の力を出すのはいい。
でもそれが常態化すると、きっと辛い。
自分が出せる力を少しずつ増やしていくのはよいことだが、
いつも頑張るのは無理だ。頑張った先に何があるのか。
できることをやっていく。それでいいじゃないか。
頑張らない人間も認めないと、頑張った先のものもきっと存在しない。