- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1991/04
- メディア: ペーパーバック
- 購入: 3人 クリック: 32回
- この商品を含むブログ (139件) を見る
彼らは出席不足で単位を落とすのが怖いのだ。そんな連中が大学解体を叫んでいたかと思うとおかしくて仕方がなかった。
そんな下劣な連中が風向きひとつで大声を出したり小さくなったりする。
おいキズキ、ここはひどい世界だよ、と僕は思った。こういう奴らがきちんと大学の単位をとって社会に出て、
せっせと下劣な社会を作るんだ。
「私たちみんなどこかでねじまがって、よじれて、うまく泳げなくて、どんどん沈んでいく人間なのよ。
私もキズキ君もレイコさんも。みんなそうよ。どうしてもっとまともな人を好きにならないの?」
この二つのくだりは妙に心に沁みる。
直子は破瓜型統失で、グループホームに入っていたことが今になってわかる。素人判断だけど。
広い病態に一つの名前というのは統合失調症も自閉症も病名がよくない。
偏見を防ぐために病名を変えたという経緯があったが
社会的にみて病名が変わっても変わらなくても置かれている状況は変わらないだろうな
偏見を持った素人の人に説明するのが大変な手間である。
何事も知ろうとしない限り知識にはならないから結局徒労に終わる。