ゆっくりさよならをとなえる

ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)

ゆっくりさよならをとなえる (新潮文庫)

マザー好きで有名な川上弘美のエッセー
この人の小説のエロ描写にはセンスを感じる

平凡な人生を送っていることがひけめだった。
何かを考えたり深く悩んだりしたいと思うのだが、
とっかかりがなかった。自分の人生の中には事件がなかった。
事件さえあれば何かが始まるのに。
二十歳前後の頃、いつもそんな風に思っていた。

18、19の頃はそんなことを思っていた
そして今も密度の薄い人生を送っている
しかしたまに起きる重大事件に懲りたので
凪のような人生に飽きることもない